ハードウェアエンジニア(回路設計)の仕事内容・年収・将来性

記事更新日: 2021/04/12

ライター: いまり

エンジニア志望のひと

ハードウェアエンジニア(回路設計)ってどんな仕事なの?

年収は?将来性は?プログラマに比べて情報が全然ないからわからない…。

こんな疑問に答えます。

この記事を書いた人
いまり@組み込みエンジニア

某国立大学にて物理学を学んだのち、誰もが知っている大手電気メーカーに入社。大半の日本人が一度は使用したことがあるであろうBtoC製品を開発している組み込みエンジニアです。
ハードウェア開発歴:4年
ソフトウェア開発歴:1年
ARMマイコン搭載システムの開発経験あり
所有特許:4件

この記事では、ハードウェアエンジニア(回路設計)の仕事内容から年収・将来性まで幅広い情報をお伝えします。

 

これを書いているわたしがまさにハードウェアエンジニア(回路設計)です。

とあるBtoC電機メーカーで働いていますので、パ○ソニックさんとか、シ○ープさんみたいな会社のエンジニアだと思ってもらえば、大体合っています(

▼ 回路設計エンジニアとして他社の有名製品は解体・分析したりしています。

>> わたしの経歴・プロフィールはコチラ

 

そんな私なので、ハードウェアエンジニア(回路設計)の詳細・実情を色々とお伝えすることができます。

  • 電機メーカーでモノづくりがしたい!
  • ハードウェアには興味があるけど、情報があんまりない…。
  • そもそもプログラマとか他のエンジニアとどう違うの?
こんなことを考えている方は、ぜひ読んでいってください!

 

関連記事

将来性が気になる方が多いようなので、別記事により詳しくまとめました。

関連記事

回路設計職の将来性・需要を現役エンジニアが本気で考えてみた!

更新日: 2020.02.20

 

ハードウェアエンジニアは電子回路をつくる

ハードウェアエンジニアは、電子機器の電子回路まわりを開発・設計するエンジニアです。

そもそもハードウェアとは、コンピュータにおける”目に見える部分”=電子回路・デバイスを表しています。

対義語としてソフトウェアがありますね。こちらは”目に見えない部分”=プログラムを表しています。

いまり

ざっくり言えば、電気で動く”モノ”を用意するのがハードウェアエンジニアの仕事です。

スマートフォンで例えれば、液晶・カメラ・電子基板など電気で動くものすべてがハードウェアエンジニアの担当です。

 

ハードウェアエンジニアの仕事内容

ハードウェアエンジニア(回路設計)の仕事内容の一覧です。

  • 構想設計
  • 電子部品・デバイスの選定(CPU・メモリなど)
  • 回路設計
  • 動作確認・評価
  • ソフトウェア設計への指示

いまり

順番に解説していくよ!

 

構想設計

たとえば、商品を企画する部門から「こんな製品を作りたい」という提案をされます。

それが例えば、スマートフォンであれば、

  • 液晶・カメラ・タッチ機能などが必要で…
  • それらを制御するマイコンを用意して…
  • データを保存するためのメモリも必要で…
  • 無線通信をするなら、アンテナも付けないとな…

こんな感じに必要な要素を考えていくんですね。

そして、「およそこれだけの電子デバイスをこういう風に組み合わせたら、製品を実現できるだろう」という見込みをつけるのです。

いまり

大雑把ですが、これが構想設計です!

商品の企画・仕様に合わせて、製品の構成を練るんですね。

 

電子部品・デバイスの選定

構想ができたら、今度は実際に搭載するCPUやメモリなどのデバイスを決めます。

要求されている仕様・スペックを満たすためにはどのデバイスを使うべきか、比較検討しながら選びます。

比較の際には下記がおおよそのポイントになります。

  • スペック
    CPUなら動作周波数、メモリなら容量です。

  • コスト
    例えばメモリなどは数十円~数百円で流通しています(種類や市況によって値幅はバラツキます)。

  • サイズ
    スマートフォンのような小型製品にはとても重要なポイントです。

エンジニア志望のひと

CPUとかはやっぱり高速なほどいいんだよね?

 

いまり

同じ値段ならそうなんですが、高速なものは大抵は高コストです。

要求スペックを満たす程度の処理速度で最も安いものを選んでいくという感じになります。

製品のスペックやコストはこの段階でほとんど決まるので、実は重要な段階です。上司に説明する際も、比較検討はかなり詳しく詰めていくことになります。

 

回路設計

実際に回路基板を設計していきますが、これには3つの工程があります。

製品回路を考える

回路図を作成する

回路基板(部品レイアウト)の設計をする

製品回路を考える

どの部品をどういう風につなげて回路にするかを考えていきます。

この際、使用するすべての電子部品の機能・特性を理解していなければなりません。

でなければ、保証されていない使い方などをしてしまい、製品が不具合を起こしてしまうということが十分あり得るからです。

いまり

回路を考えるというクリエイティブな段階だけど、電子部品のデータシートを読んで理解するっていう勉強的な面もあるよ!

回路図を作成する

考えた回路を回路図に描き起こします。これには回路CADツールを使います。

 

回路CADツールの動画です。部品を配置して線をつないでいって回路図ができます。

言ってしまえば、これはただのお絵描きです(笑)

ただし、配線を1本でも間違えたらまったく動かないようなことも珍しくないので、お絵描きながらも十分な注意が必要です。

いまり

ケアレスミスが出やすいので、必要に応じて複数人で確認(ダブルチェック)をしたりもするよ!

 

回路基板(部品レイアウト)の設計をする

回路基板の形状や部品の配置(レイアウト)を決めます。

これも回路図作成と同じく見た目はお絵描きみたいなもので、部品のレイアウトをCADツールで描いていきます。

いまり

でも、実はこの部品のレイアウトには電子回路の専門的な知識が必要だよ!

なぜなら、部品の位置関係や配線によって電気信号の振る舞いが変わるからです。

回路上を伝わる電気信号は物理現象なので、ちょっとした違いで想定通りに動かずに不具合が起きたりします。

なので、そういった電子回路についての知識・知見に沿って、レイアウトの設計をしなくてはならないのです。

いまり

それとスマホみたいな小型製品を作るなら、いかにスペースを取らない効率的なレイアウトにするかのセンスも問われるよ!

部屋に家具をレイアウトしたり、スペースの有効活用が得意なひとに意外と向いている仕事かもしれません(笑)

ただ、レイアウト設計は外注することも多いので、ハードウェアエンジニアでも実際にやったことはない人も少なくないです。

 

動作確認・評価

回路図・部品レイアウト図をもとに製造した試作基板の動作確認・評価をします。

どんなことをするかというと、

  • 動作は想定どおりか
  • 高負荷処理のときに電源が落ちたりしないか
  • 電気信号の波形に異常はないか

エンジニア志望のひと

電気信号の波形というと…?

 

いまり

こんなやつだよ!

 

この波形を見るための装置を"オシロスコープ"といいます。”プローブ”という針を回路の配線上に当てると、そこを通る電気信号の動き(すなわち波形)が見られるんです。

この波形は”回路上の通信の振る舞い”です。これがぐちゃぐちゃな形をしていると、まったく回路が動作しなかったりします。

いまり

難しそうに見えるけど、ようするに心電図みたいなものだよ!そう例えるなら、ハードウェアエンジニアは"電子回路の医者"だとも言えるかもしれないね。

 

ソフトウェア設計への指示

必要なら、ソフトウェアの設計に指示も出します。

たとえば、回路をCPU→メモリ→液晶…という風に順々に動かさなければならない時があります(この順番を”シーケンス”と言います)。

その順番をソフトウェアで制御する場合は、ハードウェアエンジニアがソフトウェアエンジニアにその内容を指示するのです。

その内容についての詳細は省きますが、ここで言いたいのはハードウェアエンジニアはソフトウェアとも密接な関係があるということです。

いまり

ソフトウェアのことを理解しているハードウェアエンジニアは重宝されることが多いよ!実際、そっちのほうが仕事をしやすい面もあります。

ちなみに、理想的にはハードウェアエンジニアでもプログラミングができたほうが良いです。

ソフトウェアエンジニアとの意思疎通しやすくなる、ハードウェアエンジニア自身がプログラムを組むことで仕事のスピード感がUPするなどのメリットがあります。

詳しくは下記の記事をどうぞ。

 

ハードウェアエンジニアの年収や将来性は?

ハードウェアエンジニアの業界

ハードウェアエンジニアの業界は幅広いです。

電子機器があるところならどこでも仕事があります。

スマートフォン、家電、電気自動車、産業用ロボットなどなど…。

一般的には電機メーカーが中心になると思いますが、思いつく電子機器があればそこに仕事があるか調べてみても良いですね。

 

ハードウェアエンジニアの年収

業界によるため一概に言えませんが、

ハードウェアエンジニアの平均年収(業界別・40才参考)

  • 電機メーカー:年収650万円
  • 自動車メーカー:年収750万円
  • 産業用ロボット:年収750万円

という水準です。

日本人40代前半の平均年収が450万前後ですから、全体的に高めの傾向にはあると言えますね。

 

ハードウェアエンジニアの需要

スキルと実績があるハードウェアエンジニアは需要は高いです。

実はハードウェアエンジニアはソフトウェアエンジニアに比べると人数は必要とされない職種です。

ただし、

  • ほぼ仕事を通してでしか必要な経験を積めないこと
  • そのため、スキルがあるエンジニアは希少であること

この2つから、スキルとキャリアさえあれば転職に困ることはほとんどありません。

新卒入社して実績を積めば、需要は高いと言えます。

いまり

実際わたし自身も転職活動を試してみた時には、東証一部上場企業らからも十分興味を持ってもらえました!

逆にいえば未経験からの転職はほぼできないということになりますので、そこだけ注意しましょう。

ハードウェアエンジニアの将来性

高度経済成長期だった頃からずっとある職種なので、将来性が特別あるとは言えませんが、仕事がなくなることはないでしょう。

まず、IT社会は今後も発展していきますし、IT社会を実現するためのハードウェアの需要も当然のように高まっていきます。

エンジニア志望のひと

将来ほとんどの仕事がAIに代替されるって言われてるけど、ハードウェアエンジニアはどうなの?

 

いまり

ハードウェアエンジニアは、
・AIを使う側であること
・AIで代替しづらい手作業が多いこと
この2点から、
AIに代替される可能性は低いと思われます。

回路設計業務などでAIによる効率化が図られる可能性はありますが、基本的にはスキルさえあれば安定した職種といえます。

 

【注意】就職先となる会社選びは慎重に!

ハードウェアエンジニアは需要・将来性ともに心配しなくていいと述べましたが、就職する会社の将来性には注意が必要です。

というのも、近年のクラウド化・WEBサービス化は現在進行形でどんどん進んでいて、電機メーカーが業績不振に陥るケースが最早珍しいことではないからです。

例えば、プリンターメーカーなどは、世界的なペーパレスの流行に困っているでしょう。

スマートフォンや街にある電光掲示板など、電子機器が全てなくなることは絶対にありません。

しかし、クラウド化・WEBサービス化の流れに対応できていない一部メーカーが業績不振になることは十分あり得ますので、そこだけは勘違いしないようにしておきましょう。

 

ハードウェアエンジニアになるためには?

必要なスキルや経歴

結論から言えば、スキルよりも経歴が重視されます。

なぜかといえば、会社か専門学校でしかハードウェアエンジニアのスキルを学ぶ機会が普通はないからです。

なので、ハードウェアエンジニアになるにはおよそ下記の選択肢に絞られます。

  • 大学卒業とともにハードウェアエンジニアとして新卒入社する
  • 組み込み系の専門学校で学ぶ

まず、大学卒業とともに新卒入社するのが王道ルートです。

エンジニア志望のひと

大学の専攻とかはなんでもいいのかな?

 

いまり

望ましいのは電気系の学科ですね。ただ、ハードウェアエンジニアのスキルを直接学べるわけではないので、他学科でも可能性は十分あります。

転職の場合は、組み込み系の専門学校を卒業しているなど特殊な経験が必要ですね。

つまり、新卒入社・専門学校卒業済みのどちらかでないと、ハードウェアエンジニアになるのは難しいと思います。

いまり

ハードウェアエンジニアになりたいひとは、大学(できれば電気系学科)か組み込み系の専門学校を卒業しようね!

ハードウェアエンジニアに必要なスキルや経歴をもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をどうぞ。

 

ハードウェアエンジニアに向いているひと

最後にハードウェアエンジニアに向いているひとの特徴をまとめてみましょう。

  • 几帳面なひと
    回路設計は細かいミスもNGなため、几帳面は強いです!

  • 手先が器用なひと
    1mm以下サイズの部品も扱うため、手先が器用な方が向いています!

  • モノが好きなひと
    部品や基板を扱うことが多いので、モノ好きなら最高です!

  • 電気という自然現象を楽しめるひと
    電子回路は自然現象的な癖があるので、そこを興味を持って楽しめた方が良いです!

いまり

当てはまるひとは、ハードウェアエンジニアをぜひ検討してみてください!

 

【まとめ】ハードウェアエンジニアはIT業界の中核ポジション

今回は、ハードウェアエンジニアの仕事内容から市場価値について紹介しました。

ハードウェアエンジニアは電子機器を創り出せる唯一のエンジニアです。そのため、IT業界の中核を担い、今後の将来性も十分なとても重要なポジションです。

いまり

IT業界の未来を切り開いていきたいという方は、ハードウェアエンジニアを将来像の候補に考えてみてください。

いまり

ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

 

ご質問などあれば、Twitterお問い合わせフォームからどうぞ。
良ければ、Twitterもフォローお願いします!

この記事を書いたライター

いまり

某国立大学にて物理学を学んだのち、誰もが知っている大手電気メーカーに入社。大半の日本人が一度は使用したことがあるであろうBtoC製品を開発している組み込みエンジニアです。

* ハードウェア開発歴:4年
* ソフトウェア開発歴:1年
* ARMマイコンを使用したシステム開発経験あり
* 所有特許:4件

この記事に関連するラベル

ページトップへ