きついSEときつくないSEのたった1つの違い【契約形態できまります】

記事更新日: 2020/11/27

ライター: おうま

解決したい悩み

・きつい企業を見分ける方法が知りたい

・何がそんなにしんどいの?

こんな疑問にお答えします。

 

こんにちは、おうまです。

僕も8年間のエンジニア生活の中で、それなりにブラックな働き方も経験してきました。

 

▼ きつかった経験

・明日納品のために終電過ぎて開発

・トラブルで24時間連続勤務(ブルーライトで頭割れそうになる)

・裁判沙汰の会社の怒号の中謝罪まわり

 

きつかった経験と会社を色々まわる中でわかった

『きつくなる会社とそうじゃない会社を見分ける方法』

を解説します。

 

この記事を読めば、SEという大きな括りだけじゃなくて、『SE×契約形態』の細かい分類で見れるようになります。

この記事で学べること
この記事で学べること
〜契約形態で大きく変わる〜
・きつい仕事はだいたい『請負契約』です
・仕事がきつくなる具体的な流れがわかります

きつくないエンジニアは契約形態で決まる

きついSEときつくないSEの違いは、『契約形態』にあります。

 

エンジニアの契約は、大きく分けて委任契約と『請負契約』があります。

『請負契約』は、現代の奴隷契約だと思っています。

僕は請負契約のせいで、馬車馬のように働いてました。

 

働くまで知らなかったこの契約形態を理解すると、なぜエンジニアがブラックになるかがわかります。

きついエンジニアは請負契約

請負契約は、仕事を完了したらお金をもらうという契約です。

逆に言うと、仕事を完了しないとお金をもらえないため、発注者の権利が強い契約です。

 

請負契約でエンジニアが不利な理由

・仕事が完成しないとお金がもらえない

・バグがあれば無料で直す

・納期までに完成できず不利益が出ると損害賠償される

 

ここで問題なのがお客さんが100%の完成形をイメージできて仕事を依頼できないということです。

 

結果、納期は動かないまま『完成』のゴールだけが動き続けます。

このプロジェクトのトップがYesマンだと最悪です。

当初はなかった仕様が加わり、それに急ピッチで対応する結果バグが生まれ現場が疲弊していきます。

きつくないエンジニアは準委任契約

準委任契約は、エンジニアとして通常期待される一定の成果(善管注意義務)を満たしたらお金をもらうという契約です。

 

身近な例でいうと…

『医者』と『患者』の関係も準委任契約が結ばれています。

患者さんは、病気を治して欲しいと受診します。

医者は、身長に問診をしますが完治について責任を負う必要が無いのは、準委任契約であるためです。

 

簡単に言うと、ちゃんと働けばお金がもらえる契約です。

140~180時間働いた70万円のようにバイトみたいな契約を結びます。

 

▼ 委任契約でエンジニアが有利な理由

・仕事が完成しなくても普通に働けばお金がもらえる

・バグがあっても修正義務はない

・納期までに完成できなくても納品義務はない

 

請負契約との一番の違いは、完成品に対する責任がないことです。

これがどうきつい理由に繋がっているかをこれから見ていきます。

請負契約がきつい理由は?

個人的な見解ですが、請負契約だと9割こんな構図になります。

理由は、お客さんにOKをもらわないとお金がもらえないから。

 

請負契約の構図

お客様 >>> 開発会社

 

これが色んなところで、ゆがみを作っていきます。

どんなBAD ENDになるか見てみましょう。

不具合を「なるはや」で修正しないといけない

請負契約には、契約不適合責任があります。

バグがある(=契約不適合)場合、修正しないといけません。

 

プログラムを納品する頃には『お客様 >> 開発会社』の構図が完全に出来上がっています。

修正しないと減額交渉されることもあるため、「なるはや」での改修が求められます。

 

お客さん「バグがある!すぐ直して!」

ベンダー「はい、わかりました!」

 

急いで修正した結果更にバグが入り込み、プロジェクトは炎上してしまいました。

→ BAD END

納期がある

請負契約には、納期までにシステムを開発する義務があります。

ひどい現場だとこんな状態になったりします。

 

お客さん「納期直前だけど、この機能追加してください」

プロマネ「わかりました!お前たち休日出勤で巻き返せ!!」

現場「はいっ(最悪だ)」

 

疲れた頭で開発した結果バグが入り込み、プロジェクトは炎上してしまいました。

→ BAD END

スキルがないと仕事がさらにきつくなる

請負契約で、納期に追われた現場は殺伐としています。

即戦力が欲しく、時間が惜しい現場でスキルがないとつらい思いをします。

 

自分「すみません、ここがわかんないんですけど」

熟練SE「ググった?何がわかんないの?忙しいんだけど」

現場「すみませんっ(辞めたい)」

 

質問もできず全く手も動かず、心がパンクして病んでしまいました。

→ BAD END

きつくない会社に入るためには

きつくない会社に入るために、請負契約の企業を選択肢から外しましょう。

 

SIerは、請負契約が多いのでオススメしません。

お金を稼ぐ、技術を磨くことが目的ならいいですが、つらい仕事を任される日が来ることを覚悟しましょう。

 

つらくない会社で働きたい方は、こんな進路があります。

自社開発企業に入る

自社開発企業なら、自社で仕事量をコントロールします。

Webやアプリ開発だとバグがあっても、致命的でなければすぐ修正しないことも多いです。

 

おうま

動画配信サービス作ってますが、バグも丁寧に直していこうというスタンスで働けています。

 

どこからも仕事を請負っていないので、仕事を無理やり詰め込まれることもありません。

フリーランスになる

フリーランスは、企業と業務委託契約(=準委任契約)を結びます。

SIerからフリーランスになりましたが、契約形態が変わり働き方がガラッと変わりました。

 

契約時間以上働くと、追加で給料を払わないといけません。そのため

「働ぎ過ぎないで、どこかで休んでください」

と言われながら働けていて、天国みたいです。

まとめ:請負契約を避けると働き方が良くなります

今回、きつくない会社の選び方についてお話した内容をまとめます。

 

会社選びに失敗しないには『契約形態』を見るべし

  • エンジニアの契約形態には『請負契約』と『準委任契約』がある
  • 『請負契約』は発注者の方が権利が強くブラックになりがち
  • 『準委任契約』は決められた時間働けばOKなのでホワイトになりがち
  • 『請負契約』がほとんどなSIerは避けた方が吉

 

「自社開発企業がいいよ」

と言われる大きな理由に、契約形態が請負契約じゃないこともあると思います。

 

SIerで働いた経験をもとにお話をしましたが、『請負契約』だと本当にきついです。

お客さんの要望レベルも年々高くなってきている中で、バグのないシステムを作ることは無理です。

その中で、完璧を求められる『請負契約』を結ぶとエンジニアは疲弊します。

 

ホワイト企業を選ぶ時には、残業時間を見るだけじゃなく契約形態まで考えて選んでみてください。

この記事を書いたライター

おうま

Webディレクション案件を主に手掛ける現役フリーランスエンジニアです。元々は大手SIerのシステムエンジニアに従事しており、8年の勤務を経て、2020年に独立に至りました。
  • 現・動画配信サービスのディレクター
  • 受注案件:iOS・Android・Web(Rails)のアプリ開発管理など
  • エンジニア歴:9年

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