解決したい悩み
「SIerは絶対にやめてWeb系にいけ」って評判が多いけど本当か知りたい?
こんな疑問にお答えします。
おうま
こんにちは。おうまです!
SIerで7年働いて今はWeb系のディレクターとして働いています
結論から言うと、SIerで働くエンジニアはすぐに辞めてWeb系に行った方がいいです。
理由は、SIerで働いてる人で楽しそうな人を見たことがないからです。
▼ SIer時価総額TOP3
1位 野村総合研究所(2兆3千億)
2位 オービック(2兆1千億)
3位 NTTデータ(1兆9千億)
上記SIerに友達も多く働いてますが、みんなツラそうだし社内で忙しくない人がいないと言ってます。
僕はSIerで7年働いて、Web系のディレクターで働いてましたが
おうま
なんでSIerって楽しくないんだろ?
という長年の疑問に真面目に考えてみました。
この記事を読めば、「なんでみんなWeb系がオススメしているの?」という疑問が解消されると思います。
僕が考えるSIerが楽しくない理由は、以下の3つです。
①仕様書が全てで裁量が無いから
②新しい技術に触れないから
③古い体質の会社が多いから
このページの目次
IT業界に詳しくない人は『エンジニア』の違いがわからないと思いますので、まずWeb系とSIerの違いを説明します。
エンジニア会社にはざっくり2つ種類があります。
▼ エンジニア会社の区分け
SIer(エスアイアー)
自社サービスを持たない会社
企業例:NRI、オービック、NTTデータ
Web系
自社サービスを持つ会社
企業例:Facebook、Twitter、Apple
SIerでは、公共事業や基幹システム開発などプロジェクト規模が大きいです。
そのため自社社員だけだと人手が足りないため、他会社に仕事を依頼することがよくあります。
仕事を受けた会社だけだと人手不足
→ 他の会社に依頼をする
→ 依頼を受けた会社だけだと人手不足
→ 他の会社に依頼をする
SIerだと上記のような、『多重下請け構造』になりやすいです。
他会社も含めるとメンバーが数十人以上になることもあります。
数十人が意見を出し合うと収集がつかないので
『仕様書通りにシステムを作る』
というルールでみんな働いています。
・大規模プロジェクトが多く、多重下請け構造になりやすい
・開発に関わるメンバーが多いため、仕様書がルールになっている
Web系では、自社サービスを作りますが多くても50人程度とプロジェクト規模はSIerと比べると小さいです。
例えば、GooglePlayベストアプリ2020に選ばれたSmartNewsでも50人で開発を行なっています。
参考:SmartNews × SHIFT社高速リリースの最前線対談
Web系では少ないメンバーで
『仕様書よりも会話を大事にして柔軟にシステム対応をする』
というルールで働いています。
Web系で一般的な開発手法(アジャイル開発)での、有名な宣言文をご紹介します。
この宣言文の通り、Web系では会話や変化への対応を優先していて開発を進めていきます。
アジャイルソフトウェア開発宣言
プロセスやツールよりも個人と対話を、
包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを
契約交渉よりも顧客との協調を、
計画に従うことよりも変化への対応を、 価値とする。
すなわち、左記のことがらに価値があることを認めながらも、私たちは右記のことがらにより価値をおく。
おうま
SIerでは左に価値を置いているので真逆ですね
・中小規模プロジェクトが多く、柔軟性が高い
・開発に関わるメンバーが少ないため、仕様書よりも対話を重視する
違いがわかったところで、実際に7年働いて感じたSIerの楽しくないところを3つご紹介します。
SIerは、システム開発前に金額と納期が決まるビジネスモデルです。
金額と納期がズレると、訴えられることもあるため以下の内容が最優先事項になっています。
・始めに決めた金額でシステムを作る
・始めに決めた納期までにシステムを作る
・打ち合わせで決めた機能のみを作る
おうま
決められたこと以外をしたらダメなので、「やれされ感」が強く楽しくないなと感じていました。
例えばプログラマーが開発中に気づいて
この機能あった方が良いんじゃないか?
と思って提案したとします。
ただし、この提案はSIerではほとんど通りません。
▼ 却下される理由
・追加機能を入れても貰えるお金は変わらない
・追加機能を入れると納期が後ろ倒しになる
結果、SIerでは創意工夫はほぼ不要になります。
SIerでは打ち合わせで決めた『仕様書』が絶対ルールです。
設計で決められたものを確実に作ることが求められますので、
提案する裁量が無いため、楽しくありません。
Web系は、SIerとビジネスモデルが少し違います。
月々のユーザ課金が売上になるため、ユーザの満足度が売上に直結します。
・ユーザーが満足する機能があるかどうか
例えば先ほどと同じようにプログラマーの人が
この機能あった方が良いんじゃないか?
と思って提案したとします。
この提案が重要だと思われれば作業タスクに組み込まれます。
▼ 認められる理由
・追加機能を入れるとユーザー満足度が上がり、入会数や継続率が向上する
・追加機能を入れるかわりに、他の機能を後の対応に先延ばしができる
その結果、自分の工夫が機能として組み込まれる喜びから創意工夫や発言が活発に出るような職場になりやすいです。
SIerでは、生産効率より安全性を第一としています。
そのため、何か不具合があった時に問い合わせるMicrosoft(C#)やOracle(Java)を好む傾向にあります。
逆にWeb系では、生産効率の良いPythonやRuby等比較的新しい開発言語が好まれます。
▼ SIerのよくある開発言語とSQL言語の組み合わせ
・C# × SQLServer
・Java × Oracle
また部品(ライブラリ)を自作していたり、安全第一思想からパブリッククラウド(AWSやGCP等)を敬遠しています。
その結果…
数年間SIerで働くと、ITトレンドが全く分からない『浦島太郎状態』になってしまいます。
おうま
SIerで働いてた7年でトレンドがガラッと変わってWeb系に就職した時の技術習得に苦戦しました
SIerでは古い体質の会社が多いです。
結果、仕事で得た情報をすべて「機密扱い」にする文化があります。
▼ SIerで機密情報扱いになるもの
・自社名と取引先の会社名
・使っている技術
・取り組みやノウハウ
会社から情報発信するな、と言われているため繋がりたくても繋がれません。
情報交換が禁止されているので、交流会も行けずエンジニアとして孤立してしまいます。
おうま
発信をしないためエンジニアの横の繋がりがなく、楽しくありませんでした。
SIerが楽しくない3つの理由を書いてみましたがいかがでしょうか?
情報はどんどんオープンになっている世の中の流れなのに、SIerは閉鎖的で古い体質の会社が多いです。
今の時代の流れにあっているのは完全にWeb系です。
さらにSIerは、『請負契約』といってエンジニアには不利な契約です。
ビジネスモデル上でも契約上でも楽しく働ける環境になりづらいのも、楽しく働いているSIerが全然いない理由だと思っています。
就職のハードルは高いですがWeb系の会社に挑戦して、いきいきとしたエンジニア生活をぜひ送ってください。