ハードウェアエンジニア(回路設計)に必要な資格・スキルとは?

記事更新日: 2021/05/09

ライター: いまり

この記事を書いた人
いまり@組み込みエンジニア

某国立大学にて物理学を学んだのち、誰もが知っている大手電気メーカーに入社。大半の日本人が一度は使用したことがあるであろうBtoC製品を開発している組み込みエンジニアです。
ハードウェア開発歴:4年
ソフトウェア開発歴:1年
ARMマイコン搭載システムの開発経験あり
所有特許:4件

エンジニア志望のひと

ハードウェアエンジニア(回路設計)になるためには、どんな資格・スキルがあればいいの?

 

こんな疑問に答えます。

結論から言えば、

  • ディジタル技術検定
  • 基本情報技術者
  • エンベデッドシステムスペシャリスト

電気関連の資格はいろいろありますが、全部いりません!

 

わたしは大手BtoC電機メーカーで働いている組み込みエンジニアです。シ○ープさんやパ○ソニックさんみたいな企業のエンジニアだと考えてもらえれば大体合っています(笑)

ハードウェア設計は4年間ほど経験がありますが、資格の話を周囲から聞いたことはありません。

ましてや、自分自身も何も資格は持っていません。

どうしてでしょうか?

この記事では、ハードウェアエンジニアになるのに資格が必要ないこと。その理由と代わりに必要なものをお伝えします。

「ハードウェアエンジニア(回路設計)になりたい」
「電気メーカーでモノづくりがしたい」
「だけど、そのために何をしたらいいかわからない…。」

そんな方は、ぜひ続きを読んでいってください。

 

資格は必要ない!

冒頭でお話したように、ハードウェアエンジニア(回路設計)になるために資格は必要ありません。

そもそも社内のエンジニア達から資格の話を聞いたことはありませんし、わたしも会社から資格の取得を指示されたこともありません。

さらに言えば、わたしは一度転職活動をしたことがありますが、エンジニア専門の転職エージェントから資格の有無を問われたこともありません。

それでも、東証一部上場の名の通った企業を紹介してもらえました。

 

なぜ資格がいらないのか?

ひとえに、エンジニアのキャリアは「実務経験が全て」だからです。

もちろん、資格がまったく無意味かと言えばそんなことはないでしょうが、実務経験に比べれば単なる補強ほどにしかなりません。

言ってしまえば、”資格で仕事はできない”んです。

資格だけ持っていても大した実務経験に恵まれなかったひとに、新システムの開発などができるかと言えば、間違いなくできません。

いまり

経験がなければ、何をすべきかわからず右往左往して沈没すると思います。

逆に経験さえあれば、戸惑いながら勉強しながらだとしても、その経験をもとに新システムの開発を試みることはできるはずです。なぜなら、一度は経験しているのですから。

当たり前のことを言っていますが、大切なことです。

 

重要なのは、電子機器を作った経験

エンジニア志望のひと

実務経験って言っても、それは転職の話じゃない?学生だったらどうすればいいの?

 

確かにその通りですね。実務経験というのは社会人でないと積めません。

ただし、学生…に限らず一般人でも、実際に電子機器に触れてみる・作ってみるというのはできます。

例えば、

  • ロボットコンテスト
  • 無線ラジオを自宅で作ったり
  • マイコンやFPGAを使用した電子工作

こんなのが、パッと思いつきますね。

 

電子工作などで身に付くスキルとは?

 

経験が大事と何度も言っていますが、なぜ経験が求められているかといえば、それによって身に付くスキルがあるからです。

上記のような電子工作で得られるスキルというのを、いくつかまとめてみましょう。

電子工作で身に付くスキル

  • はんだ付け
  • 回路設計
  • 部品データシートの理解
  • プログラミング
  • デバッグ全般

大体、こんな感じですかね。全部、資格の勉強では得られない実践的な経験です。

はんだ付けなんて手作業は実践じゃないと学べません。それでもメーカーで仕事をすると1mm以下の部品を扱ったりしますから、地味に重要なスキルです。

プログラミングは後述しますが、ハードウェアエンジニアも覚えておいた方が良いスキルです。

そして、デバッグ経験が最も重要です。不具合に対する原因特定・解決のことですが、これには知識・経験・ノウハウとある種の勘がまんべんなく必要になるからです。

よく言われる”問題解決能力”という意味でも、デバッグ経験は企業の人事が最も興味を持つところでしょう。

いまり

実際に経験してみないと得られないスキルがこんなにもあります。

特にデバッグ経験は採用担当も注目するポイントだと思いますので、ぜひ自己アピールに使える経験を積んでおきたいところです。

 

具体的に学ぶべきスキル

電子工作の経験をオススメしてますが、具体的に何を学べばいいか分からないひとのために固有名称をいくつか伝えておきます。

必須というわけではなく、あくまで迷った時の勉強の指針としてです。作りたいものがある人は、好きなものを作ればOKです。

勉強の指針となる技術

  • インターフェース
    I2C, SPI, UART, USB, SDなど

  • 無線通信
    Wi-Fi, Bluetoothなど

  • デバイス
    マイコン, CPU, メモリ, FPGAなど

インターフェースという言葉は聞き慣れないかもしれませんが、データ通信の方式と考えてください。よくご存じのUSBもその1つです。

およそこの辺りの固有名詞を理解していれば、それなりに知識は身に付いています。これらすべてを齧った程度でも扱った経験があれば、新卒の就活においては有望視されると思います。

エンジニア志望のひと

まずは何から手を付ければいいかな?

 

オススメはとりあえず市販のマイコンボードを購入して、動かしてみることです。

『PICマイコン』『Arduino』などで調べれば、数千円で買える基板やキットが出てくるはずです。

マニュアルを読んだりプログラミングも必要だったりで最初は苦戦するかもしれませんが、最速でハードウェアへの理解が進むのでオススメです。

 

プログラミング経験もオススメ

ハードウェアエンジニア(回路設計)は、ハードウェアだけ知っていれば良いと思っているかもしれませんが、実際はそんなことはありません。

回路設計者でもプログラミングスキルはそれなりに重要です。

なぜなら、マイコンやメモリなどのデバイスを動かすときに必ずプログラミングが必要になるからです。彼らはプログラムなしには動けません。

だからこそ、ハードウェアエンジニア(回路設計)を目指している人でも、プログラミング経験は無駄にはならず、むしろ業界全体で重宝されるはずです。

ハードウェアエンジニアとプログラミングの関係について詳しく知りたい方は、下記の記事もどうぞ。

 

大学の学科・専攻のオススメは?

エンジニア志望のひと

実践経験のことはわかったけど、大学の学科とか専攻にオススメはあるの?

なんなら、電子工作ができる学科とかある?

あえて言うなら、もちろん工学部・電気電子学科が有利ですね。

ただし、一般的に電気電子系は回路設計の経験を積むことはできません。

意外に思うかもしれませんが、電気電子系はもっと専門的な分野を扱っていることが多いです。

例えば、

  • アンテナ
  • レーザー
  • 半導体

などなど。あまり電子回路を組むことはそんなにないんです。

ただ、広い観点では方向性は近いですし、企業の人事から見れば最初に注目するのは電気電子(名前からして当たり前ですが笑)ですから、電気電子学科が有利とあえて述べました。

ただ、前述のような電子工作の経験が十分にあれば、別に他の学科からでもメーカーの製品開発には携われます(研究開発部門で働きたいなら、別ですが)。

 

ちなみに、個人的に最強だと思うのは『専門学校卒 → 有名大学院進学・卒業』のパターンです。

電子工作を本格的に勉強する専門学校があります。

はんだ付けもプログラミングもバリバリするし、マイコンなども扱います。

そこで必要なスキルを手に入れて、有名大学院に進学して学歴を手に入れるという寸法です。

いまり

大手企業の学歴フィルターをかいくぐり、面接で専門学校の経験をガッツリ自己アピールできる、最高の人材です。

正直、かなりの確率で無双できると思います。

 

大学院に進学すべきか、学部で就職すべきか

エンジニア志望のひと

ハードウェアエンジニア(回路設計)になるのに、大学院に進学した方が良い?それとも学部卒で大丈夫?

 

正直なところ、どちらでも良いと個人的には思います。

既にお話したように、大学および大学院では実践的な経験を積めません。なので、本質的には大学院への進学はあまり関係ありません。

ただし、ハードウェアエンジニア関係なく一般的に、企業によっては大学院卒を重視するかもしれません。

大学院・修士2年間の研究で、自己アピールするためのエピソードが用意しやすいという学生側の事情もあると思います。

 

結局は、その人次第であると思います。

スキルや経験が十分に有り、自己アピールできるなら学部卒でOK。自己アピールにまだ自身がないなら、大学院に進学もアリだと思います。

自由に選びましょう。

ただし、志望する企業の好み・何を重視するのかはちゃんと自分で調べるようにしましょうね。

 

未経験からの転職は可能か?

エンジニア志望のひと

いままでほとんど新卒入社の話だったけど、未経験からの転職はどうなの?

 

残念ながら正直、厳しいと思います。

職種が近かったり、組み込みプログラマ(ハードウェア制御をするプログラマ)からの転職だったりすれば、十分に可能性はあると思います。

ただ、まったく掠りもしない、例えばサービス業などからの転職はかなり厳しいと思います。

理由は、そもそもハードウェアエンジニア(回路設計)は募集人数が多くないことにあります。

どうしても挑戦したいなら、それこそガッツリ電子工作して世間に発表しているとか、専門学校に入りなおすなどの経歴が必要になると思います。

いまり

正直、未経験からのハードウェアエンジニアへの転職は難しいです…。

もし挑戦するなら、人生を変える勢いでハードウェアにのめり込む必要があると思います。

 

【まとめ】ハードウェアエンジニア(回路設計)は、資格よりも経験!

今回の内容をまとめます。

ハードウェアエンジニアに資格はいらない!

  • 回路設計になるのに資格はいらない!
  • 重要なのは、電子機器の製作経験
  • 電子工作では、はんだ付けなど実践的なスキルが身に付く
  • 最も重要なのは、デバッグ経験
  • プログラミング経験もあれば有利
  • 大学専攻のオススメは電気電子系(必須ではない)
  • 全くの未経験から転職はかなり厳しい

ハードウェアエンジニア(回路設計)になるのに、資格は不要です!

その代わり、実践的な経験が必要です。目指すのであれば、まずはマイコンボードを購入して電子工作に挑戦しましょう!

いまり

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この記事を書いたライター

いまり

某国立大学にて物理学を学んだのち、誰もが知っている大手電気メーカーに入社。大半の日本人が一度は使用したことがあるであろうBtoC製品を開発している組み込みエンジニアです。

* ハードウェア開発歴:4年
* ソフトウェア開発歴:1年
* ARMマイコンを使用したシステム開発経験あり
* 所有特許:4件

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