エンジニア志望のひと
回路設計の仕事に興味があるんだけど、回路設計職の将来性ってどうなの?
なんでもインターネットでできる時代になってきて、需要がなくなったりしないの?
こんな疑問に答えます。
この記事では、回路設計職の将来性について、現役の電機メーカーエンジニアが真剣に考えてみた結果をまとめてみました。
実際に回路設計職を4年間経験した人間だからこそ、現場の雰囲気からリアルな不安などについて伝えることができると思います。
実際に考えてみたところ、ポイントは下記の3つという結論に至りました。
詳しくは記事の続きでお話します。
▼ この記事を読んでほしい方
いまり
回路設計職に興味があるひとは、ぜひ読んでみてください。
このページの目次
これが1つの結論です。「IT社会がある限り、回路設計がなくなることはない」です。
そして、IT社会はなくなるどころか、間違いなく発展を続けていきます。
例えば、下記のようなIT社会の発展を支えるような技術はドンドン育っていますね。
IT社会の発展を支える技術
これらのIT技術は電子機器がなければ始まりません。そして、電子機器を作る回路設計職がいなくても実現されません。
つまり、上記のような技術・IT社会の発展が望まれている限り、回路設計職がなくなることはありませんね。
いまり
これらのことから、回路設計職の将来性は一般に安泰といっても過言ではないのです。
エンジニア志望のひと
でも、世界的な流れはハードウェアよりソフトウェア重視なんじゃないかな…?
最近はなんでもWeb上でできたりするから…。
いまり
はい、鋭い指摘です。
およそ回路設計職の将来性を語るのに、3つの懸念点があると思います。
▼ 回路設計職の将来性|3つの懸念点
順番に解説していきますね。
最近はなんでもWebアプリでできたりしますよね。
典型的なのは、いままでSDカード・USBメモリ・ハードディスクに保存していたものがクラウドに移っていっていることですね。
こうなると、皆さん自身があまり電子機器を買う機会をあまりないために、「回路設計って需要ないんじゃない…?」と思ったりするかもしれません。
いまり
ただ、もう少し視野を広くして考えてみると、やはり回路設計が必要なことがわかります。
普段あまり買うことがなくても電子機器というのは、そこら中にあります。
そこら中にある電子機器
テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機・照明・掃除機・PC・スマートフォン・イヤホン・時計・信号機・電気自動車・改札機・自動販売機…数え上げればキリがありません。
これらのものは「人間が直接触れたり」「その空間にあること」が重要なので、Webアプリに代替することができないんですよね。
また、クラウド化については消費者としてはメモリ類を購入しなくなりましたが、代わりにクラウド企業がサーバーを用意しています。
そもそもWebアプリを動かすための電子機器(PC・スマートフォンなど)は、むしろWebアプリの浸透とともに需要は高まりますね。
いまり
電子機器には、Webアプリでは代替できないもの、Webアプリを使用するために必要なものがあります。
なので、Webアプリが浸透しても、電子機器は変わらず需要は高いですね。
いろいろな電子機器がスマホに集約されているのは事実です。
特にスマホの浸透により、カメラ市場とオーディオ機器市場は大打撃を受けていますね。
後述しますが、回路設計の中でも一部の電子機器(上記のカメラなど)についてとなると、将来性がかなり厳しいものがあると思います。
いまり
ただその一方、代わりのスマホには需要がありますね。
代わりにスマホの回路設計の需要が高まったと考えれば、回路設計職の全体的な需要はほぼ変わりません。
また、先程お話した電子機器の例より、スマホには集約できないもの(家電など)もたくさんあります。
そういったインフラ的な電子機器は簡単になくなりませんので、スマホへの集約があるからと回路設計職それ自体の将来性を不安に思う必要はありませんね。
エンジニア志望のひと
将来ほとんどの仕事がAIに代替されるっていう話もあるけど、回路設計職はどうなの?
これも一時期、いろいろな仕事について騒がれていましたよね…。
これについての回答としては…、
いまり
回路設計職は下記の2点からAIにはほとんど代替されません。
・AIで代替しづらい手作業が多いこと
・AIを使う側であること
じつは、回路設計職は配線などの手作業が結構多いんです…!!
このお陰でAIには代替されにくいですね。
またAI搭載したデバイスを使用したりと、AIを使う側のポジションでもありますので、そういった意味でも”AIで仕事がなくなる”ことはないでしょう。
いまり
回路設計業務などでAIによる効率化が図られる可能性はありますが、基本的には安定した職種といえます。
さて、回路設計職の将来性を不安に思うことはないと話してきましたが、注意点はいくつかあります。
まず1つ目、「企業の将来性は別問題」です!
電子機器には今後なくなるもの・増えるものがあります。
今後なくなる傾向にある電子機器
カメラ、プリンター、時計、電卓…など今後増えていく電子機器
ロボット、電気自動車、ドローン、IoT機器、VR機器…などつまり、回路設計という仕事ではなく電子機器それぞれの将来性にバラツキがあるというわけです。
カメラはスマホに集約されているし、プリンターはペーパーレスの傾向で打撃を受けています。
そのため、カメラやプリンターが主力の企業で働くのは、将来性が危ういです。
逆に今後増えていくロボットや電気自動車は成長産業なので、将来性は十分です。
いまり
回路設計だからといってどこでも安泰ではありません。
将来性を気にするなら就職先や専門分野はしっかり選んだほうが良いですね。
「回路設計職に付いたら、それだけで将来安泰!」ではないことに気をつけましょう。
新しい技術はドンドン導入されるものなので、その変化に付いていけない人だと将来性は危ういです。
今後導入されていく技術
いまり
回路設計エンジニアとして勉強ができるかどうかで、将来性が左右されると考えましょう。
勉強が必要というと、資格の勉強を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、あまり資格というのは必要とされません。
回路設計職に必要なのは、あくまで技術力です。
いろいろな仕事や情報収集を通じて、技術力を高めていけると良いですね。
回路設計職の資格についての詳細は、下記の記事をどうぞ。
ちなみにですが、回路設計職でもプログラミングができたほうが良いです。
なぜなら、マイコンやメモリなどのデバイスを動かすときに必ずプログラミングが必要になるからです。
プログラミングができる回路設計者の方が、間違いなく重宝されますし需要は高いです。
いまり
というわけで、プログラミングができる回路設計職のほうが将来性は明るいですね。
回路設計職にとってのプログラミングスキルについて詳しく知りたい方は、下記の記事をどうぞ。
最後に、回路設計職の将来が不安などとは違う話になりますが、補足として。
副業とかリモートワークとか、これからの時代らしい働き方をするなら、正直なところ回路設計職は不利です。
回路設計職は働き方に制限アリ!
まず、プログラマなどに比べるとリモートワークは難しいです。
私も電機メーカー勤務ですが、出勤率は高めです。
まあ、しょうがないです。配線作業やたくさんの測定器を使用したりするからですね。
いまり
正直、同じ会社のプログラマ達がリモートワークしているのを見て、羨ましく感じることもあります…笑
次に、プログラマと比べると回路設計は副業と相性が悪いです。
プログラマは素晴らしいサービス・アプリケーション作れれば、Web経由で展開しやすいし稼げることも多いです。
回路設計はそういうのは難しいですね。
電子機器を作って売るのはできなくはないですが、経費も掛かりますし時間労働になりやすくコスパは悪いです。
いまり
もし進路に悩んでいる学生の方など、エンジニアになりたいけれど職種に悩んでいる方は、働き方の自由度を基準に考えてみても良いかもしれません。
今回の内容をまとめます。
回路設計職は将来性アリ!ただし注意点もあります
…ただし下記3点に注意!
回路設計職の仕事がなくなることはありません。少なくともIT社会が存続する限りは。
興味があるひとはぜひ安心して回路設計職を目指してもらえればな、と思います。
*
いまり
某国立大学にて物理学を学んだのち、誰もが知っている大手電気メーカーに入社。大半の日本人が一度は使用したことがあるであろうBtoC製品を開発している組み込みエンジニアです。
* ハードウェア開発歴:4年
* ソフトウェア開発歴:1年
* ARMマイコンを使用したシステム開発経験あり
* 所有特許:4件
某国立大学にて物理学を学んだのち、誰もが知っている大手電気メーカーに入社。大半の日本人が一度は使用したことがあるであろうBtoC製品を開発している組み込みエンジニアです。
* ハードウェア開発歴:4年
* ソフトウェア開発歴:1年
* ARMマイコン搭載システムの開発経験あり
* 所有特許:4件