組み込みエンジニアの将来性・需要は?【現役エンジニア本人が語る】

記事更新日: 2021/02/19

ライター: いまり

エンジニア志望のひと

組み込みエンジニアに興味があるんだけど、組み込みエンジニアの将来性ってどうなの?

Webアプリとかのプログラミングに比べると需要がなくなってたりしないのかな?

こんな疑問に答えます。

この記事を書いた人
いまり@組み込みエンジニア

某国立大学にて物理学を学んだのち、誰もが知っている大手電気メーカーに入社。大半の日本人が一度は使用したことがあるであろうBtoC製品を開発している組み込みエンジニアです。
ハードウェア開発歴:4年
ソフトウェア開発歴:1年
ARMマイコン搭載システムの開発経験あり
所有特許:4件

この記事では、組み込みエンジニアの将来性について、現役の電機メーカーエンジニアが真剣に考えてみた結果をまとめてみました。

実際に現役の組み込みエンジニアとして働いている人間だからこそ、現場の雰囲気からリアルな不安などについて伝えることができると思います。

 

実際に考えてみたところ、ポイントは下記の3つという結論に至りました。

組み込みエンジニアの将来性まとめ
  • 組み込みエンジニアがなくなることはない
  • 他のプログラマに比べ技術寿命が長い
  • 製品や企業の将来性には注意

詳しくは記事の続きでお話します。

 

▼ この記事を読んでほしい方

  • 組み込みエンジニアになりたいけど将来を不安に感じているひと
  • これから就職する上でどの仕事にするか悩んでいる方
  • 理系学生や専門学生の方
    …など

いまり

組み込みエンジニアに興味があるひとは、ぜひ読んでみてください。

 

 

IT社会がある限り、組み込みエンジニアはなくならない

これが1つの結論です。「IT社会がある限り、組み込みエンジニアがなくなることはない」です。

そして、IT社会はなくなるどころか、間違いなく発展を続けていきます。

IT社会の発展を支える技術

  • AI(人工知能)
  • 5G
  • ブロックチェーン
  • VR(仮想現実)
  • ロボット/無人自動車

組み込みエンジニアはハードウェア制御をプログラミングします。

そして、上記のようなIT技術はハードウェアがベース部分に必ず存在します。

特にVR機器やロボット/電気自動車はモロにハードウェアです。そこには絶対に組み込みエンジニアが必要とされます。

つまり、上記のような技術・IT社会の発展が望まれている限り、組み込みエンジニアがなくなることはありませんね。

いまり

これらのことから、組み込みエンジニアの将来性は一般に安泰といっても過言ではないのです。

 

Web開発に比べると需要が少ないんじゃない?

エンジニア志望のひと

でも、Webアプリ/プラットフォームの開発がメインじゃないの…?

ハードウェア制御なんて時代遅れなんじゃ…。

確かに最近はWeb上でなんでもできるよう印象がありますね。

様々なサービスがWebに展開されていくため、Web開発が世界的な流行りと捉えても不思議ではありません。

いまり

ただし、組み込みエンジニアの業界は、流行りではないと共に『廃れにくい』という特徴があります

 

プログラマの中でも最も技術寿命が長い

組み込み業界は世界的な流行の中心にいない代わりに、時間の流れが遅い感覚があります

どういうことかと言えば、使われている技術の寿命が長いのです。

いまり

わかりやすくするため、先にWeb業界の技術動向の傾向を話しましょう。

Web業界はユーザーニーズが技術の発展に伴いドンドン変わり、それに合わせて新しい技術も次々に導入されていきます。

具体的には『フレームワーク』というサービス開発のツールのようなものがありますが、こういったものが次々と現れるためWebエンジニアには常に新技術の習得が求められます。

新技術に付いていけないWeb業界のエンジニアは需要がなくなり、自然と求人も減っていきます。

いまり

一方の組み込み業界は、技術の導入スピードが比較的緩やかです。

わかりやすいのは、組み込み業界で利用されるプログラミング言語です。

様々なプログラミング言語が次々に開発されているなか、現在でも1970~80年代に開発された”C”, ”C++”が主流言語として活躍しています。

組み込みエンジニアの特徴としてハードウェア技術の理解も必要ということがありますが、ハードウェア技術もWeb業界に比べれば流行り廃れは遅いです。

いまり

通信規格で考えるとイメージしやすいかもしれません。

Wi-FiやBluetoothといった技術は数年で簡単に廃れたりはしませんよね?ハードウェア技術のスピード感はそんなイメージです。

以上のことから、組み込みエンジニアもとい組み込みプログラマは寿命が長いと言えます。

 

企業の将来性は別問題です

さて、組み込みエンジニアの将来性を不安に思うことはないと話してきましたが、注意点がいくつかあります

まず1つ目、「企業の将来性は別問題」ということです!!

組み込みエンジニアが扱うハードウェア・電子機器には今後なくなるもの・増えるものがあります。

今後なくなる傾向にあるハードウェア

カメラ、プリンター、時計、電卓…など

今後増えていくハードウェア

ロボット、電気自動車、ドローン、IoT機器、VR機器…など

つまり、組み込みエンジニアという仕事ではなく、ハードウェア・電子機器それぞれの将来性にバラツキがあるというわけです。

カメラはスマホに集約されているし、プリンターはペーパーレスの傾向で打撃を受けています。

そのため、カメラやプリンターが主力の企業で働くのは、将来性が危ういです。

逆に今後増えていくロボットや電気自動車は成長産業なので、将来性は十分です。

いまり

組み込みエンジニアだからといってどこでも安泰ではありません。

将来性を気にするなら就職先や専門分野はしっかり選んだほうが良いですね。

 

勉強して変化に付いていかないといけない

エンジニア志望のひと

さっきは「組み込み業界は技術の流行り廃れが遅い」って言ったじゃないか…!!

 

はい、すみません…。

ただ、理解してもらいたいのはエンジニアである限り、勉強は必要です。

他のプログラマ業界に比べて流行り廃れが緩やかなのは確かですが、「組み込みエンジニアに付いたら、それだけで将来安泰!」ではないことに気をつけましょう。

IT技術の発展に伴って新しい技術は導入されていくものなので、その変化に付いていけない人だと将来性は危ういです。

今後導入されていく技術

  • 高速通信の方式
  • 無線通信の規格
  • 液晶・表示デバイス
  • 各種センサー

いまり

組み込みエンジニアとして勉強ができるかどうかで、将来性が左右されると考えましょう。

 

【まとめ】組み込みエンジニアは将来性も十分!いくつか注意点は忘れずに

今回の内容をまとめます。

組み込みエンジニアは将来性も十分!ただし、注意点アリ

組み込みエンジニアの将来性

  • 組み込みエンジニアは今後もなくならない
  • Web系に比べて流行りではないが技術寿命は長い

 

いくつか注意点アリ!

  • 企業の将来性は別問題
  • 勉強して時代の変化についていく必要アリ

回路設計職の仕事がなくなることはありません。少なくともIT社会が存続する限りは。

興味があるひとはぜひ安心して組み込みエンジニアを目指してもらえればな、と思います。

いまり

ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

 

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この記事を書いたライター

いまり

某国立大学にて物理学を学んだのち、誰もが知っている大手電気メーカーに入社。大半の日本人が一度は使用したことがあるであろうBtoC製品を開発している組み込みエンジニアです。

* ハードウェア開発歴:4年
* ソフトウェア開発歴:1年
* ARMマイコンを使用したシステム開発経験あり
* 所有特許:4件

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