ネットワークエンジニアはオワコン?【仕事内容・年収・将来性】

記事更新日: 2021/06/22

ライター: トイーヌ

この記事を書いた人
トイーヌ

大手通信キャリアで働く現役ネットワークエンジニア
大規模システムの構築やコスト改善施策により4度の社長表彰を受賞
大学ではC言語を始めとするプログラミングを専攻
 自治体や法人のネットワーク設備構築:3年(15案件)
 ISPのネットワーク設備構築運用:3年
* ネットワーク関連新サービスの企画:2年(5案件)
所有資格:ネットワークスペシャリストCCNA上位資格CCNP

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エンジニア志望のひと

ネットワークエンジニアについて

  • 業務内容は?ブラックなの?
  • ルータやスイッチって何?
  • システムエンジニアやインフラエンジニアと何が違うの?
  • どのようなスキルが必要?
  • おすすめの資格は?
  • 年収は?
  • 将来性はあるの?

このような疑問にお答えします。

この記事では、現役ネットワークエンジニアのトイーヌが、仕事内容や他のエンジニアとの違い、必要となるスキルや年収、将来性について幅広い情報をお伝えします。

トイーヌ

実際に働いてみての苦労話もお伝えします!

 

この記事をおすすめするひと

・ネットワークエンジニアに興味がある方

・エンジニアになりたいけど種類が多くてどれが良いか分からない方

・未経験からエンジニアを目指している方

・将来性のあるスキルを身につけたい方

 

ネットワークエンジニアには大きく「設計・構築・運用・保守」の4つの仕事があります。それぞれについて私の経験も含めて具体的に説明をします。

ネットワークエンジニアに近い職種で、システムエンジニアやインフラエンジニアなどがありますが、それらとの違いも説明します。

トイーヌ

私は主に設計・構築をやっていますが、運用・保守の経験もあります!

 

ネットワークエンジニアは、プログラミングを行わない業種となっています。

そのため根幹となるTCP/IPというネットワーク通信を成立させるための仕組みと、ネットワーク機器の設定について学べば良く、比較的初心者でもなれる職種と言えます。

 

ネットワークエンジニアという職種はオワコンじゃないか?という話もありますが実際には将来性のある職種と言われています。

なぜオワコンと言われているのか、今後どうなっていくのかについても説明します。

トイーヌ

ネットワークエンジニアに興味を持っていただけたらぜひ読んでいってください!

ネットワークエンジニアについて

ネットワークエンジニアの仕事内容は簡単に言うと、ルータやスイッチといったネットワーク機器の設置・設定・管理です。

私たちは普段、職場などでネットワークを利用してパソコンからメールを送ったり、ファイルサーバーにデータを入れたり出したり、社内システムにアクセスしたりしています。

このネットワークを構成するのがネットワーク機器と呼ばれる機器たちで、それらの機器を選定し、ネットワークを構築し、快適な通信環境を維持するのがネットワークエンジニアの仕事となります。

 

そもそもネットワークって?

コンピュータ同士を相互に接続し情報をやりとりすること、またそれ自体をネットワークと呼びます。

コンピュータにはパソコンだけでなく、サーバやプリンタ、セキュリティ機器など色々なものが含まれます。

なぜネットワークが必要なの?

皆さんがGoogleで何かを検索したりする時、ネットワークを介してインターネット上のサーバに接続をしています。

このように離れた場所のコンピュータと情報をやり取りするためにネットワークが必要です。

このネットワークを構成するのがルータやスイッチといったネットワーク機器です。

世界中をネットワーク機器で繋げたものがインターネットです。

ここから先では、ネットワークエンジニアの仕事内容や他のエンジニアとの違い、必要なスキルや資格、年収や将来性についてご説明します。

 

ネットワークエンジニアの仕事内容

トイーヌ

ネットワークエンジニアの仕事は大きく4つに分類されます。

  • ネットワーク設計
  • ネットワーク構築
  • ネットワーク運用
  • ネットワーク保守

それぞれについて詳しく説明していきます。

会社によって担う役割が変わることもありますので、このようなことをするというイメージだけ捉えてください。

 

 ✔ ネットワーク設計

ネットワーク設計でやること

  • 要件定義
  • 基本設計
  • 詳細設計
  • 検証

要件定義

クライアントからヒアリングし、ネットワークの要件をまとめます。

利用する時間帯はいつか、どのくらいの通信量になるか、保守はどのような条件かなど、具体的に要件を詰めます。

※自社のネットワークを取り扱うこともありますが、その場合は社内の予算を取り扱う部署をクライアントと見立ててください。

トイーヌ

ここで曖昧な要件を残してしまうと、後の工程でトラブルになることがよくあるから気をつけないといけないんだ!

 

基本設計

要件に合わせてネットワーク構成や機器・回線の種類と数をコストを踏まえて検討します。

機器の設定はパラメーターシートという機器の設定を簡単にまとめるシートに記入します。

基本設計が終わったらクライアントに納期・見積りを提示しますが、承認されなければ要件定義からやり直しとなります。

トイーヌ

必要最低限かつ故障時の対応も考えた設計は難しいですが、ネットワークエンジニアの力の見せ所でもあります!

 

詳細設計

基本設計で作られたネットワーク構成図やパラメータシートを基に具体的な設計をしていきます。

基本設計で作るネットワーク構成図はざっくりなので、機器をどこに置くか、どのように接続するかなど具体化した構成図にしていきます。

またパラメータシートを基に、実際に機器に設定する内容(コンフィグと言います)を作成します。

構成図とコンフィグが作成したら、それらをまとめて手順書にし、具体的なスケジュールを作ります。

トイーヌ

手順書はミスの無いよう複数人でレビューを行います。また、想定外の問題が発生した時の対応方法をまとめた切り戻し手順も盛り混む必要があります。

 

検証

手順書が完成したら検証環境で実際の工事のリハーサル及び動作検証を行います。

トイーヌ

検証が上手くいかないと、基本設計や要件定義まで戻ることもあります。

 

 ✔ ネットワーク構築

ネットワーク構築でやること

  • 手順書に従い構築
  • 進捗管理
  • 試験

手順書に従い構築

設計で作られた手順書に従い、機器の設置や設定、回線の接続を行なっていきます。

手順書に従えば誰でも出来ると思いますが、手順書も人が作っているので間違えがあったりします。そのため最低限その手順が何をしようとしているか作業者は理解していないといけません。

トイーヌ

手順書が違った。手順書が古いバージョンだった。手順を読み間違った。なんてことはよくあります。

 

進捗管理

スケジュールに基づいて進めていくため進捗管理も重要です。

スケジュールが変更になる際にはクライアントとの調整も必要となってくることもあります。

 

試験

構築が完了したらネットワーク試験を行います。

今回構築したネットワークを使って正常に通信ができるか、両端にPCなどをおいてデータのやりとりをしてみます。

案件の内容によってどのような試験を行うかは変わってきます。

 

 ✔ ネットワーク運用

ネットワーク運用でやること

  • 機器の構成・設定変更
  • 機器の更改・増設時期の管理

構成・設定変更

ネットワークは構築した後も、クライアントの要望に合わせて機器の構成や設定の変更などを行います。

 

機器の更改・増設時期の管理

ネットワーク機器にはサポート期限が付いていて、それを過ぎたら多くの場合は更改します。

また、利用者数やデータ量の増加するとネットワークが混んでしまうので増設が必要となります。

それらを管理して必要に応じてクライアントやネットワーク設計者と連携して対応します。

※頻繁に設定変更を必要としないネットワークである場合は、次に紹介するネットワーク保守と合わせて、運用保守としてひとまとめにされていることが多いです。

 ✔ ネットワーク保守

ネットワーク保守

  • ネットワーク監視
  • 故障対応

ネットワーク監視

ネットワーク機器正常に運用できているか、外部から攻撃を受けていないか、不正利用がないかなどを監視します。

 

故障対応

故障時には迅速な対応が必要となります。

まずツールを使ったりなどして故障箇所を特定します。

次に、電源は入っているか、回線は抜けていないか、エラーログは出ていないかなどを調べ原因を特定します。

原因が特定できたら機器の交換やメーカーに問い合わせなど復旧に向け対処をしていきます。

トイーヌ

監視は案件単位で体制を組むのは難しいので、ネットワーク監視をメインで行っている会社に監視を委託されることが多いです。

トイーヌ

有事の際は緊急対応が必要となる場合もあるため夜中に対応なんてことも。。

 

以上がネットワークエンジニアの4つの仕事でした。

共通してネットワークに関する技術力は必要ですが、やはりネットワーク設計には幅広い知識と技術や経験が必要となります。

逆に言うと、運用保守については既に出来上がったものの管理となるため比較的高いスキルは必要なかったりします。

 

そのような特徴を踏まえて就職先を選ぶ際は、その会社ではどの範囲の業務を担っているのか。というところに着目すると仕事内容がイメージしやすいと思います。

 

ネットワークエンジニアはブラック?

ブラックと言われる理由の一つに、深夜対応が多いことがあります。

運用中のネットワークでは営業時間を避けて深夜帯に作業を行うことは多いです。

また、故障が発生した場合は時間帯を問わず迅速な対応が求められます。

ただし、それだけ重要な仕事であり「やりがい」「社会貢献」を感じられる仕事でもあります。

 

他のエンジニアとの違い

エンジニアと名のつく職種はいくつかありますが、ネットワークエンジニアに似た職種で以下のようなものがあります。

ネットワークエンジニアに似た職種
  • システムエンジニア
  • サーバーエンジニア
  • インフラエンジニア

 ✔ システムエンジニア

システムエンジニアはコンピュータの上で動作するシステムを設計・開発します。

ここで作られたシステムはサーバーやパソコン上で動作をします。

SEについて詳しく知りたい場合は以下を読んでみてください。

 ✔ サーバーエンジニア

サーバーエンジニアはネットワーク上に接続するサーバーを設計・構築・運用・保守します。

このサーバーをネットワークと接続するのがネットワークエンジニアです。

 ✔ インフラエンジニア

インフラエンジニアは、簡単にいうとネットワークエンジニア+サーバーエンジニアです。

システムを提供するにあたり必要となる土台は、総称してITインフラと呼ばれており、インフラエンジニアという名前になっています。

▼エンジニアの役割分担イメージ

トイーヌ

ネットワークもサーバもマスターしてインフラエンジニアになると仕事の幅は広がりますね!

 

ネットワークエンジニアに必要なスキル

必要なスキル
  • コミュニケーション能力と論理的思考力
  • ネットワークに関する知識
  • 関連システムに関する知識

 ✔ コミュニケーション能力と論理的思考力

クライアントはネットワークの専門家ではないため、要望を正確に引き出し、それを最適な形で要件定義する力が必要です。

また、トラブルが発生した場合に状況をわかりやすく説明し、調整をする能力が必要となります。

 ✔ ネットワークに関する知識

ネットワークは物理的に繋げただけでは通信できないため、TCP/IPと呼ばれる通信をするための技術を学ぶ必要があります。

また、実際にルータやスイッチといったネットワーク機器の設定方法を習得する必要があります。

ネットワークスキルは陳腐化しない

ネットワークはプログラミングよりも覚えなければならないことが少ないのも特徴です。

主なプログラミング言語は20種類ほどあるのに対し、ネットワークはTCP/IPと呼ばれる通信を成立させる仕組みについて覚えれば基礎知識としては十分で陳腐化もしません。

 ✔ 関連システムに関する知識

ネットワークはそれ単体では意味を成しません。

そのため、そこに接続する関連する機器やシステムについては知識が求められることも多いです。

無線LANやセキュリティ機器、各種サーバー、クラウドについても概要は理解しておいた方がいいです。

 

ネットワークエンジニアにおすすめの資格

ネットワークエンジニアに特におすすめな資格は以下の2つです。

おすすめの資格
  • シスコ技術者認定
  • 情報処理技術者試験

これらについては以下の記事で詳しく書いておりますので、もし興味があればご覧ください。

 

ネットワークエンジニアの年収

ネットワークエンジニアの年収について、厚生労働省の職業情報提供サイト(日本版O-NET)によると、ネットワークエンジニアを含む「システムエンジニア(基盤システム)」の平均年収は568.9万円となっています。

また、独立行政法人情報処理推進機構の「IT人材白書2017」によると、年代別のIT技術者の年収は20代は300~500万円が55.6%と多いです。

30代からは500万円以上の割合が増えており、実務経験やスキルアップによってやれる案件の幅が広がり収入が上げていくことができます。

また、業種別の年収をみるとインフラ系技術者の年収は比較的高いことが分かります。

トイーヌ

未経験からでも始めやすく実務経験を積むことでキャリアアップできるところが魅力ですね!

 

ネットワークエンジニアの将来性

 ✔ なぜネットワークエンジニアがオワコンと言われるのか

ネットワークエンジニアがオワコンと言われる理由に、クラウドの普及があります。

これまではサービスを利用したい時、自社内にネットワークとサーバーを構築していましたが、クラウドを使えばそれらは不要です。

そのため、クラウドの普及に伴いネットワークエンジニアは不要になるのではと言われています。

 ✔ 将来性はあるが変化は求められている

ネットワークは、電気・ガス・水道に続く第4のインフラと呼ばれており、将来的にもなくなることはありません。

また、5GやIoT、スマートシティ構想といった技術革新も多く、今後も需要が拡大していくと予想されています。

 

しかし、従来のネットワークエンジニアのままでは将来性はなく、今後はクラウドにも対応できるようになっていく必要があります。

今後のネットワークはAmazonのAWSやGoogleのGCPといったクラウド上のサーバーを活用したものが主流になっていきます。

ネットワークそのものがどんどん変化しているので、それに対応していくことが求められています。

 

まとめ

今回はネットワークエンジニアの仕事内容と大変なところ、他のエンジニアとの違いや年収、将来性について書きました。

華やかさは無いですが、「やりがい」「社会貢献」を感じられる職種です。

 

ネットワークエンジニアは未経験からでも比較的なりやすい職種と言われているので、エンジニアになりたい方にはおすすめです。

また、最新IT技術の裏側にはネットワークは欠かせませんので、様々な技術を習得するチャンスもあるためキャリアの広がりもあります。

むしろそのように変化していけるネットワークエンジニアが今後は求められています。

トイーヌ

最新技術を支える社会貢献度の高い仕事です!キャリアの一つとして考えてみてはいかがでしょうか!

トイーヌ

2ヶ月でネットワークエンジニアになれるITスクール、ネットビジョンアカデミーについて以下の記事で書いていますのでもし興味があれば読んでみてくださいね!

この記事を書いたライター

トイーヌ

大手通信キャリアで働く現役ネットワークエンジニア
大規模システムの構築やコスト改善施策により4度の社長表彰を受賞
大学ではC言語を始めとするプログラミングを専攻

 自治体や法人のネットワーク設備構築:3年(15案件)
 ISPのネットワーク設備構築運用:3年
* ネットワーク関連新サービスの企画:2年(5案件)
 所有資格:ネットワークスペシャリストCCNA上位資格CCNP

 

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