テスターとは何をする人?業務内容や将来性、適性を解説します

記事更新日: 2021/06/21

ライター: おうま

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おうま@フリーランスWebエンジニア

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テスターに興味あるひと

テスターってどんな仕事をしてるんだろ?

IT業界でまわりからどんな風に見られているかや、年収・将来性も気になる。

こんな疑問に答えます。

 

私はIT業界で10年働いていますが

テスターという職種は、ITエンジニア界の中でも地位がすごく低いです

これは個人的な感想というわけではなく、テスターの求人を見てみても

「テスター急募!未経験歓迎♫」

「<テスター>簡単で楽しいのに報酬GET★」

のような「誰でもできる仕事」として掲載されていることも多く、重要性の割に全然評価が追いついていないのが実情です。

 

この記事では、テスターがどんな仕事をしているかやITエンジニアにどう見られているかについて解説をしていきます。

そもそも「テスター」とは?

テスターとは、言葉の通りプログラミングのテストをする人のことです。

テスターのゴールは、『テスト項目通りにアプリを動かして不具合が無いかをチェックをすること』です。

おうま

アプリが配信されるまでに、数万以上のテスト項目をクリアする必要があります。

 

このテスト工程ですが、甘く見ると大きな問題に繋がることも…

最近あった大きな不具合騒動

・7Payの不正アクセス問題

・Cocoaで通知が飛ばない不具合

・コロナ予約サイトで架空の番号で予約できる不具合

1度大きな不具合を出してしまうと、利用者が激減しアプリ開発が取りやめになることもあります。

おうま

Cocoaの不具合問題で、アプリをアンインストールした人もいるんじゃないでしょうか。

昔はプログラマー自身がテストをするのが当たり前でしたが、最近ではソフトウェアテスト専門の会社に依頼をするケースも増えてきました。

アプリに求められる機能は年々増えてきてますし、テスターの大事さも広まってきているように感じています。

 

テスターの仕事内容

テスターの仕事内容は大きく4つです。

  • テスト計画の立案
  • テスト設計
  • テスト実行
  • 結果のまとめと報告

おうま

会社によっては、テスト実行をする人をテスター。それ以外の計画や報告をする人をテストマネージャーと呼んだりもします。

まずは、アプリテストの最初の工程の『テスト計画』から説明します。

 

テスト計画

テスト計画では、テストの目的を達成するためのスケジュールやメンバーの人数調整・テスト対象範囲を決めていきます。

 

テスト設計

テスト計画にそってテストケースを作成します。

テストケースを作成する時には、境界値分析・ブラック/ホワイトボックステストなどのテスト設計スキルや抜け漏れのないケース作成のスキルが求められます。

 

テスト実行

テスト設計で作成した、テストケースを実行します。

テスト項目は、Excelで作られることが多いですが、テスト用のサービスを使うこともあります。

1行1行に、何をチェックするかが書いてあり、「OK」「NG」をつけていく根気のいる仕事です。

おうま

プログラマーの時にテストもやっていましたが、1つ1つ本当につらい

 

 

結果のまとめと分析

テスト実行をしてわかったバグはもちろん、問題なく動作した場合もエビデンス(動作結果)を記録する必要があります。

また、バグが時間とともに減っていることを見せて「バグが出なくなって来ている」と報告するために図を使ったりもします。

 

テスターの年収ってどのくらいもらえるもの?

テスターの平均年収は350~400万円です。

テスターは、新入社員や未経験プログラマーが担当することが多いですし、会社によっては、テスター全員が全員アルバイトの会社もあります。

しかし、テスターからテストマネージャーになれば、正社員として500万円以上の収入を得ることも可能です。

 

テスターの将来性は?

テストの自動化ツールの開発が進んでおり、将来的に需要が減少するのは間違いありません。

しかし、アプリの開発件数も多くなってきているため、テスターの需要が完全になくなることは無いと思います。

 

AIに仕事は奪われるのはまだ未来の話

AIによる自動テストはそこまで進んでいません。

最新の自動テストアプリでも、一部にAIが使われているレベルです。

例として、AI自動テストで有名なMagic-Podの説明動画を載せておきます。こちらはnoteやLINE、Gunosyでも使われている有名な自動テストツールです。

 

テスターは未経験からでもなれるの?

未経験からでもなれます。

ITの職種の中では未経験でも比較的転職しやすいため、IT企業への入り口としてはすごく入りやすいです。

 

未経験からでも転職しやすい理由はこちら。

  • やることが決まっている
  • まとまった人数が必要
  • テストだけであればスキルが必要ない

もちろん慣れは必要ですが、数ヶ月研修を受ければ誰でもできてしまいます。

 

「まずはテスターから」

と言う人もいますが、これは開発会社に就職した未経験者向けのアドバイスです。

一般的に、システムに慣れるために新人はテスト工程から入ることも多いですし、今後の開発をやっていくために必要なスキルなのでこれはOKです。

おうま

しかし、もしプログラマー志望でテスト会社に入ると(ほぼ)100%入った後のキャリアパスで悩むと思います。

 

テスターのキャリアはどうなっているの?

テスターのキャリアパスは、『テストのプロフェッショナルになる』という1本道です。

▼ テスターの3つの昇進ステップ

1. テスト実行者:テストをする人

2. テストマネージャー:テストを計画・管理する人

3. コンサルタント:上流から体制・戦略を提案する人

上記のようにキャリアパスにプログラマーになるという道は用意されていません。

また、コンサルタントになれるのはマネイジメントを既に経験した「大手SIerからの転職組」ということも多く、未経験からだとテストマネージャー止まりになる可能性があることも注意が必要です。

 

実際にテスター会社の、キャリアに悩んでいる社員のレビューをまとめました。

・開発経験がない中で、ソフトウェアテストのキャリアを極めていくことに限界を感じた。

テストマネージャーの地位は社会的に低く、キャリアを極めることに不安を感じた。

どの会社でも通用するような専門性を身につけることができない。

テスト業務をこなしていっても転職で有利になるようなスキルを積むことが難しい

長期的なキャリアパスを描けない

OpenWorksより抜粋

やはり、テストだけでは長期的なキャリアパスを考えるのは難しいそうです。

転職の時に「テスターで3年やってきました!」と経験年数をアピールしてもプログラマー採用に有利に働かないため、テスター会社への就職はプログラマーになりたい人にはおすすめできません。

 

プログラマーへの転職もあり

プログラマーを目指したい人は、プログラミングをする会社への転職をおすすめします。

私の周りにエンジニアはたくさんいますが「プログラマーになりたいなら一度テスターを経験した方が良い」というエンジニアを私の周りでは1人も聞いたことがありません。

未経験のプログラマーから転職はハードルが高いのは事実ですが、プログラミングスクールや独学でコツコツスキルを身につけるしかありませんので、地道に焦らずがんばっていきましょう。

 

この記事を書いたライター

おうま

Webディレクション案件を主に手掛ける現役フリーランスエンジニアです。元々は大手SIerのシステムエンジニアに従事しており、8年の勤務を経て、2020年に独立に至りました。
  • 現・動画配信サービスのディレクター
  • 受注案件:iOS・Android・Web(Rails)のアプリ開発管理など
  • エンジニア歴:9年

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